水 痘
水痘とは
ヒトヘルペスウイルスに属する水痘・帯状疱疹ウイルスvaricella-zoster virus(VZV)による急性発疹性疾患で、初感染像が水痘で発熱を伴うことが多く、再活性化像が疼痛を伴う帯状疱疹となります。水痘発症後にVZVは知覚神経節に潜伏感染し宿主の免疫能低下により再活性され、知覚神経を伝わって皮膚に達し、神経の走行分布に一致して帯状疱疹を起こします。感染源は唾液または水疱内容液で、飛沫または接触感染で、発疹出現1〜2日前から水疱が痂皮化するまで感染力があります。潜伏期は2〜3週です。
症状
38〜39℃の熱が発疹と同時に出現。しかし無熱のこともよくあります。発疹は痒みを伴った紅い丘疹(盛り上った発疹)で中央に水疱を伴います。2〜4日のうちに水疱、膿疱、痂皮(かさぶた)の順に急速に進行し痂皮は数日のうちに剥がれ落ちます。発疹は体幹に多く頭部にも出現するのが特徴です。普通は跡を残しませんが、細菌感染を合併して瘢痕を残すことがあります。その他、口腔にはアフタを、眼球には角膜潰瘍をつくることもあります。
合併症として肺炎、肝炎、脳炎、腎炎などがあり、また、水疱からの細菌感染による敗血症、化膿性関節炎などの報告もあります。
治療
軽症の水痘は対症療法(痒み止めの外用、内服)で十分ですが、最近は重症化を防いだり、罹病期間を短くするため、抗ウイルス剤(アシクロビル)の投与を行う医師が多いようです。細菌感染の合併の恐れがある時は抗生剤も併用します。重症の合併症のため入院が必要となることも稀にあります。帯状疱疹では抗ウイルス剤の内服と外用に加え痛みに対して鎮痛剤の投与を行います。
水痘
帯状疱疹
予防
二次感染の予防のためすべての発疹がカサブタになるまで登園、登校はできません。上記のように重症化する例がありますので、未罹患者には予防接種をお勧めします。ワクチン接種者でも10%に罹患が認められますが、軽症ですみます。